庭をでて、二人は荒野へ
故郷の歌はどこへ行くだろう。
私たちが口ずさんだあの歌は、ふたつ寂しく寄り添って、
どこまで旅を続けただろう。
海を渡れず底まで沈んで、千の気泡になれたらいいのに。
廃墟になった遊園地。
ガラクタを蹴って、歩く。
ーーー
The Wisely Brothers 1st Full Album『YAK』Trailer
The Wisely Brothers「庭をでて」【Official Music Video】
01 グレン
開発中の坂をのぼり
陽の傾いた声をきいて
開発中の坂をのぼり
あの子は岩をみてる
ことばは岩の間に よりそう夢を見る
02 キキララ
素敵なことって何だろうな
どんな形だろう
目に見えない夢が
見えたときかな
03 庭をでて
かくれない気持ちのカーテンの裾をみて
くゆらす日の陰りさえ
目をこすればすっと消えてしまうの
空気は思いをきづくマジックで
わたしの声があって
信じることができるらしいんだ
これから行くかなしみの
ひとつひとつは何か言いたげで
こわれそうな呪文も
やさしい口づけも
足先の草原も愛していたい
あなたの声があって
息を吸うように信じてみたい
すべてはどこかおかしいんだから
すべてはどこかおかしいんだから
すべてはどこかおかしいんだから
庭をでて
04 おいで
怠惰のときには境目はきえて
だから知らずにうたうの
きみの街のこと
おおベイベーきみが誰だとしても
おおベイベー消えかかる音のなかにいて
おいで見ないで
まっすぐ手を伸ばせば
彼方からおとずれる
聴こえのない朝が
おいで見ないで
きこえる吐息は雨のよう
息づくる風はちがう星へさそうの
おいで
手放す瞬間まで見届けては
彼方からおとずれる
風景をずっとながめてるわ
06 彼女のこと
ガーデン
ガーデン
ここはわたしのガーデン
去るときがきても どこにいても
スケートボードで走る
彼女はことばのなかの雪をみては
深くまで降らぬよう手をかざした
ガーデン
ガーデン
ここはわたしのガーデン
誰かは決めない
帰りの道をスケートボードで走る
08 MOUNTAINS
たそがれ幼き日々に
歩けば海のなか
隣にいるきみに問いかけても
大人になっても ねぇそばにいるの? って
いつも愛しているかい
涙をながしてるかい
手をとりおどっているかい
退屈にしてるかい?
山で叫んでるかい
海でおぼれかけているかい
島に取り残されてるかい
あなたは
どこで愛しているかい
11 マリソン
そうすればふたり
世界を終えては
ひとつもう一度はじめてみた気がして
道はいつも 沈むようで 浮かんでいて
もう見えない
聞こえるのは 雨の音
夢がやんで
地平線がのびる
ーーー
手放すための……
そんな毎日。
砂時計の反対側どうし
砂の傾きで近づいたり 離れたり
気まぐれに 物憂げに
ガラス瓶の砂丘は静か
あなたの胸に絶えない焚き火
故郷のうた
単純なステップ
荒野ののばら
黄色いのばら
海の底を行くように深く息を吐く
肌は 日差しに乾いていく
抱きしめて沈めた昔話は
冷たい水に守られる
あれは?
祭礼の夜
あれは?
……おもいでの花脈
薔薇よりも赤い荒野の夕焼け
テレパシーは波に途絶える
空は黒くなっていく
逃してしまうから、運命の選択だと思ったの
間に合わないことの後悔だと思ったの
海は 渡れないと思ってた
そして少女は荒野をめざす。