2017年 面白かった商業BL漫画

 

 

 

 ぼーっとしてたら2月になってしまいました。

順番に特に意味はないです。

 

 

 

 兄は元彼

兄は元彼 (ディアプラス・コミックス)

兄は元彼 (ディアプラス・コミックス)

 

 

 

そう言えば

僕は

昔の兄も真面目だったかどうかなんて

考えたこともなかった

 

 

読み終わってあらためてタイトルを見て、いいなあって思った。

元彼って言葉は対象に対して使うものなので「兄"の"元彼」とする方が聞きやすいところを、「兄"は"元彼」と名付けられたこの作品はその通りに、兄と、兄の元彼と、誰かの元彼であった兄と、弟のお話でした。

私、第三者視点BLがすごく好きで、やたもも3巻もこれでめちゃくちゃよかったので2017年はこの二作品だけでいい第三者視点BLに恵まれていたなあと満足しています。

片側からでは見られないその人の違う側面を分け合って昔わからなかった涙の意味をわかったり、最初に去っていった人間がいつのまにか一番立ち止まっていたり、だから的外れだったり、でも呆れを取り戻したのは面影だったり、時間と視点が交差するからこその混線がすごく好きでした。

あと梅子さん、今年読んだ商業BL漫画で一番好きな女子キャラクターです、かわいい……

 

 

 神様はたぶん左利き

 

神様はたぶん左利き (アイズコミックス)

神様はたぶん左利き (アイズコミックス)

 

 

 

例えば犬

けなげで頑張りや

お札

美しいもの 人間の技術力

そういうもの

俺の 好きなもの

 

 

 借金のカタに偽札を作らされてる印刷所の刷師とそこにやってきた人間コピー機のお話。

設定の珍しさに目を引かれるけど、それだけで終わらずに、高い技術力をもって偽札を作ることを通して偽物と本物を引き合いにしながら、自分の信じるもの・自分の好きなものを大切にするためにどういう行動を取るべきか、というところに収束していくのがとてもよかったです。

読み切り版のラストと最終話のクライマックスで出てくる真倉の「何様なんだ」というセリフや土砂に埋もれて行くあのシーンなんかを見ていると、もっと真倉のことで描きたいことがあったんじゃないかと思えて、もうあと1.5倍のページ数で読めたらなあと思ったり。

この方の漫画、前作もそうなのですが、表紙に意味や裏話を盛り込んでくれるのであとがきを読んだあと表紙を見返すのも楽しいです。

一番好きなシーンは、泥酔しながら二人で、乗ってる他の乗客も眠っている恐らく最終の市バスの一番うしろの席で、肩組んで歌ったりしてるシーンです。

 

 

ハイ・ファイ・ランデブー

 

ハイ・ファイ・ランデブー (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

ハイ・ファイ・ランデブー (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

 

 

 

住むなら田舎かな

でも大学が都会だったら

そっちで就職してしまうかもね

東京

大阪

名古屋

どこに行くんだろうね

俺たち

 

 

廃校が決まった学校で卒業までの最後の一年を過ごす中学生二人のお話。

風景の中にキャラクターを立たせるのが本当に上手いなあと思う漫画家さんで、最後の一年の春夏秋冬を順番に描いていくこの作品はそのよさが特に強く感じられました。

絵的に強いラストシーンのある単巻漫画が好きで、この作品もまた。

予想のつくラストを絵の強さが越えていくことほど気持ちいいことはないです。

市バスってなんかほんといいよね…………

 

 

ユートピアダーリン

 

ユートピアダーリン (あすかコミックスCL-DX)

ユートピアダーリン (あすかコミックスCL-DX)

 

 

 

「俺の気持ちが無くても 恋愛って成立するんだな」

「何を今更 君の気持ちしかなくても恋愛は成立してきたじゃないか」

 

 

献身的な人間の恋のお話が好きなのは、一人の内に完結する恋のお話だからなのかもしれません。

目の前のその人の心のどこかを埋めるように気持ちを傾けることが恋で、埋まった人から笑って去っていくことが恋の終わり。

主人公が変わるわけでも時代設定が変わるわけでもなく、そんなに長くはないある期間を切り取った連作ものなのに、どこか輪廻転成もののようにも感じられます。

 

 

インディゴの気分

 

インディゴの気分 (Feelコミックス オンブルー)

インディゴの気分 (Feelコミックス オンブルー)

 

 

 

 胸のどこかにずっと…

小さな炎が燻っているのだ

あの頃

あの日々に

燃やし尽くせなかったから

多分一生消えない

 

 

前作「ポルノグラファー」の続編で、過去編。

今更どうにかできるわけではないし思い出すだけ無駄だけどでもふとした時何度も思い出してしまっては胸に青い影が落ちる。時が経った実感はないのに遠いところまで来たなあと感じる。あの時こうしていたら…と想像することは少なくなって今はただ思い出してしまう。一人になった時、誰かに手を振った時、深夜家までの短い距離を歩く帰り道に、空車のタクシーとすれ違った時。誰かと関わったことでしか生まれなかった後悔のような燻りを、誰もがひとつは持って生きているのだろうと、そんなことを思いながらどうしても泣いてしまう、そんな作品でした。

 

 

On Doorstep

 

On Doorstep (ビーボーイコミックスデラックス)

On Doorstep (ビーボーイコミックスデラックス)

 

 

 

あたたかいお前が

好きだったんだ

 

 

韓国の漫画家さんの作品を翻訳したものらしいです。

絵がほんとうにどのページどのコマを取ってもきれいで、白黒でも透明感があるのが好きです。崩し顔みたいなものもなく全編イラスト集のような絵で、そういう漫画って読みにくかったりすることも多々あるんだけど、この作品はそんなことなくとても読みやすかったです。

最近好きだなあと思うイラストはだいたい描き手が韓国の方だ!

 

 

学園天国 それは恋です小泉くん

 

学園・天国 それは恋です小泉くん (ビーボーイコミックスデラックス)

学園・天国 それは恋です小泉くん (ビーボーイコミックスデラックス)

 

 

 

この日私は

少しだけ

特別な女の子になった。

 

 

同一シリーズだけど違うテーマ付きアンソロに一話完結ものとして短編で載ったものと、雑誌でシリーズものとして連載で描かれたものを合わせて一冊にまとめたもの。

なので、一つのシリーズとして見たときの一話あたりのバリエーションが豊富で、読んでて楽しかったです。

女子BL掲載時にフィーチャーされたモブ女子の中森さんが攻めよりも登場回数多いのではってとこも含めて、アンソロでテーマ先行で描かれたからこそ生まれたような面白さがとてもよかったです。

 

 

YOUNG GOOD BOYFRIEND

 

YOUNG GOOD BOYFRIEND (on BLUEコミックス)

YOUNG GOOD BOYFRIEND (on BLUEコミックス)

 

 

 

好きな食べ物は アイスクリーム

押し倒された床の冷たさを覚えてる

全部のいたずらを覚えてる

眠った顔

公園のアヒル

花火

笑えるくらい大きなベッド

ずっとひとりだと 思っていた

しがない男の

君は

いつまでも

いつまでも

終わらない恋

 

 

前作「YOUNG BAD EDUCATION」の続編。

前作よりもずっと好きになったのは、先生視点がメインになったからかなと思います。過去も今も手の届くものも届かなかったあの頃も全部を何度も噛みしめるような、恋のお話。

先生から見た水沢くんの横顔、笑顔の眩しさに、先生のこれまでの想いが全部のってて、何回読んでも泣いてしまう……

好きなシーンは、ラストシーンと、先生が家に行く前にアイスとポテチとコーラを買って行くのが学生っぽくて嬉しくてうきうきしていたのを平静を装って隠そうとしていたシーンです。

 

 

日常クライマックス

 

 

 

ねぇ 日下

別れ話してもいいけど

別れないでくれる?

今更 お前以外と生きていけねーよ

 

 

『元耽美』というテーマで描かれた、駆け落ち15年後の安定の中での長い別れ話のお話。

こういうお話によさを感じるようになったのは年取ったからだなあと思う。

「別れ話してもいいけど別れないでくれる?」のセリフには目の覚めるような思いでした、私が最初に考えつきたかった……